第102章 監視カメラがない

南坂海乃はくすりと笑った。眉と目の奥に、骨まで凍りつくような冷気を宿したまま。

「佐藤詩乃……自分を買いかぶりすぎ。捨てたゴミのひとつに過ぎないのに、わざわざ奪い合うほどの価値なんてないわ。……向こうから来たなら話は早い。新しい恨みも古い借りも、まとめて清算してあげる。まずは――私の解毒剤、床に叩き落とした件。どんな罰がいい?」

佐藤詩乃の瞳に、一瞬だけ怯えが走る。だが次の瞬間、隠しようもない悪意が露わになった。

「しぶとい女ね、南坂海乃。あれで死なないなんて!」

彼女は閉ざされたドアへ視線を投げ、足をわずかにずらしたかと思うと、手を上げ――刹那、刃が南坂海乃へと突き出される。

「...

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